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日曜の朝はGUZZI、再び

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2019年 05月 02日

ヴァルヴクリアランス調整

ルマン会議に向けての整備、第二弾。

 ブログの更新頻度がルマン会議を追い越してしまうことになりそうですが、時系列で順番に書いていきます。本番のルマン会議参加ツーリングの話しは月末?に成っちゃうかも知れません。
 さぁ、久しぶりにヴァルヴクリアランスの調整をしましょう。

 エルドラドが2年前の9月に私の下に来た時さまざまな部品交換、調整はしてしまったのですが、ヴァルヴクリアランスは確認しませんでした。なぜ?と思うでしょうが、走っている時には、聞こえてくると不快なロッカーアームの打音が正常の範囲に思えていたからです。元々そんなに静かなヘッド周りではありませんし、膝のすぐ下にシリンダーヘッドが有るから聞こえやすいのですが、今までの経験で正常の範囲と思っていましたので手を付けるのを後回しにしていました。
 しかし、さすがにもう18000km無調整なのもなんだし、一度自分の目で確認したくなったので、全く五月蝿くないつもりのクリアランス調整をすることにしました。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121263.jpg
 エンジン発電機ベルトカヴァーを外し、クランクエンドをラチェットハンドルで回し、Top Dead Center(圧縮上死点)を出します。今回TDCが出しやすい左側からではなく90°早い位置の右から行きます。理由は単純にガレージのレイアウトで右側に体を寄せやすかったから(笑)。
 クランク位置で合わせた後、あらかじめ抜いてあるスパークプラグホールから長い割り箸を突っ込みピストンが上にあることを確認、ロッカーアームがフリーであることも手で触って確認します。
 外したロッカーカヴァーの内側が異常に綺麗なのにびっくり、交換歴あり?いやそんな風な外見じゃないからオリヂナルのままだろうなぁ。乳化の跡も無く冬にもきっちり距離を走れば大丈夫なことも証明。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121240.jpg
 TDCでロッカーアームが僅かにカタカタ言うのを確認して排気上死点では無く圧縮上死点であることを確認。
ヴァルヴクリアランスの調整を常態的に『タペット調整』って言うけれども、タペットという部品はOHVやSVの Pushlod Operated Over Head Valveのプッシュロッドを持つエンジンにしか装備されない部品なので、GUZZIはまさにタペット(のクリアランス)調整をすることになります。ちなみにタペットはヴァルヴフォロアーの筒状の部品のことです。タペット調整という言葉はOHV時代の名残がそのまま使われているのでしょうね。
 この状態でヴァルヴクリアランスを測っておきます、インテイク側は0.02mm広がりエキゾウスト側は0.1mm詰まっていました、詰まっているのははハテナと思いますが、そもそも前作業者が正常に整備していたかどうかが判らないので現状確認ということで。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121264.jpg
 クリアランスの調整の前にシリンダーヘッドを留めている6本のスタッドボルトを規定値で締まっているか確認しましょう。ガスケットの潰れ代によってクリアランスに変化が出るためです。ヘッドのうち一箇所がこのキャップの奥に有りますので外します。その他は17mmの二面幅のナットですが、この奥は10mmのへックスレンチで締めこみます。長いソケットが必要です。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121249.jpg
 マニュアルによる指定トルクは3.8kgです、今はニュートンメーターに成ってしまいましたが、40Nmでいいんじゃないでしょうか。対角線上に二回に分けて締めこみましたが、増し締めが必要な箇所はありませんでした。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121369.jpg
 GUZZIに詳しい人が見ればやらせ写真であることがバレバレです。本当はロッカーアームシャフトを抜いてロッカーアームを取り外してその下にあるスタッドのナットを二箇所締めないといけません。作業に夢中になって写真を撮り忘れたので、やらせしました。プラグホールの下にもう一ヶ所ナットが有ります。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121317.jpg
 ロッカーアームを組み直し、いよいよタペット調整です。カム山~タペット上下~プッシュロッド上下~ロッカーアーム受け側~ヴァルヴステム押し側に全てクリアランスの狂う場所がありますので、それをロッカーアーム受けの所のアジャストボルトで適正な隙間に調整します。13mm二面幅のナットを軽く緩めアジャストボルトを調整してクリアランスを正規にします。ボルトの頭が3mm幅なのでここぞと3mmスパナが大活躍です。クラッチアームの調整にもこのサイズです。ナットもボルトも過去の整備の跡で角がめくれていますが修正はしませんでした。TX6650では交換したけどやる時あるかなぁ。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121342.jpg
 写真では見づらいかもしれませんが、インテイク側は0.15mmが指定値です、時代によって、排気量によってこの辺りは指定が違うので参考までに。ヴェテランですと指定値周辺でいい値を知っているようですが、私はまだそこまで行きませんのでマニュアル通りに調整です。シックネスゲージがキツメで抜ける感じです。納得できるまで何度か調整。

 
ヴァルヴクリアランス調整_c0377022_17121341.jpg
 エキゾウスト側は0.25mmに指定です、以下同文。と行きたい所ですが、調整前の確認でクリアランスが詰まっていたのが気になりこちら側は慎重に僅か、極僅か緩めにしました。(翌日試乗したらやはり隙間が大きかったようで、不快な打音がアイドリング時から出たのでエンジンが冷えてから再調整、この辺りはもう一度書きます。) 

 調整後ロッカーカヴァーをかぶせて対角線に締めこんでお終いです。ガスケットは綺麗に剥がれたので再使用、せっかく用意したけど、次回以降に使いましょう。
 
 反対側の左も同じことをします、こちらは両方とも0.02mmづつ広がっていたので調整しました。広がっているのは理解できるのですが、詰まっているのはヴァルヴフェイス(シート面)が落ち込んでいるせい?と気に成ってしまいましたが、ヘッドをO/Hする気もないので現状追認です。
 全て組み上げてエンジン始動しました、普通に掛かって一安心したのですが・・・次回に続きます。




















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by Gambaldo850 | 2019-05-02 17:27 | Eldorado | Comments(2)
Commented by TC at 2019-05-03 09:57 x
Mr. gamba

こんにちは。

バルブクリアランスですね。
中がとても綺麗でびっくりです。

走り方や暖機運転をするかしないか、いつも渋滞に巻き込まれるかの条件によって、タペットの詰まり方も変わってくるでしょうね。

ビートルは本来オイル交換毎にクリアランスを確認、調整となってますが、ここ数年調整しないままでもクリアランスに変化は無いようです。

常に安定した気温の中でスイスイ走っっているだけだとエンジンに負担が殆ど掛からないのだと思います。
Commented by Gambaldo850 at 2019-05-03 18:13
>TCさん こんばんは。
久しぶりにバルブ周りをいじってみました。
GUZZIは簡単にアクセスできるの面倒臭がってはダメですね。
乗り方の条件で状態は変わるでしょうねぇ。今回ほとんど調整無しで、しかも中がきれいでうれしかったです。

わたしの所に来てからあまり回していないからかわいそうな気もするのですがねぇ。


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