2018年 06月 06日
治ってきました。(本来は『直って』きましたでしょうね) トランスミッションケースからのオイル漏れが酷くて修理に出した事は書きました。漏れの状況は何度も書いているので詳しくは書きませんが、よくもまぁこんな状態で2泊3日のツーリングに行って来たものだと驚くほどの量でした。友人に紹介してもらってGUZZIのスペシャリストに修理をお願いしました。 何度か作業の状況や漏れの場所の連絡を頂きました、親切に対応してもらえたので非常に安心できました。オイルシールを確認した所かなり古いもので、いつ交換したのが判別ができないものでした。わたしも外したオイルシールを見せてもらいましたが、これだけ硬くなっていればリップから漏れ出るだろうなと思えるものでした。交換してもらったオイルシールは国産の実績のあるものでそれだけで安心できますね。この先もう二度とあそこを開ける事がないように願いたいものです。 外した部品を前にして親切にいろんな解説をしていただきました。過去にばらした形跡があるものの、組み立ての際に最適な工具を使わなかったせいでナットがめくれていたり規定トルクに達していない箇所もあったようです、ナットも実物を見ましたが、ちゃんとした4爪の工具を使わずタガネのようなもので叩いた痕が有りほかの場所の整備にも不安があるようでした。また、各部分解で確認できたのはちゃんとした純正部品が多く使われており、状態はいいエンジンだということでした、それを聞いて少し安心しました。 また、過去の経験からオイル漏れの対策として後期のモデルに使われているシムワッシャーを追加で入れてもらったり、トランスミッションケースを外す時に少ない行程で外すノウハウなども話してくださいました。やはりいじっている数が段違いに違うので驚いたり敬服したりするところがたくさんあり、今回お願いしてよかったぁと思えるものでした。整備の過程の写真を撮れなかったのが非常に残念です、それなので今回は写真が無いんですよ。 ブレーキ、特にフロントの効きが悪かったのですが、そこも手を入れてくださいました。私も自分でできる範囲の調整はしたのですが、それでは足りなかったようです。ホイールを分解してドラムの当たりの調整とブレーキアームの角度の調整、ブレーキワイヤも加工してもらいました。ワイヤが伸びるのも確認していましたが、それと共にアウターも縮むことが確認され、ブレーキレヴァーを引いた力が逃げているので効力が落ちているとのことで細かな調整をしてもらいました。乗りはじめに今までのブレーキとの効きの差が大きく面喰いました、調整をしっかりやるとここまで普通のブレーキになるんだなぁ。 また、クラッチの遊びの調整もいままで以上に繊細に行ってくれたので繋がりがスムースに成り、ニュートラルの出方も今までは何だったの?と思えるほど簡単に出るようになりました。自分で調整してこれで良しと思っていてももっともっと上のレヴェルが有るんですね、実感しました。 エルドラードを受け取って走り始めます。キャブレターの同調も微調整してもらったのでいままで以上のスムースな低速でした。ここでも自分の調整で良しとしてきた部分よりもう一段上の世界を体感させられました。わたしはまだまだ判っていないんだなぁ。でも、この感触を忘れないようにして、こういう状態まで持ってこれることを覚えておきましょう。スムースに歌うように走るエルドラードはそれはそれは気持ちのいい物でした。 ![]() 写真で見て判る様に横回転の力で当てられたスプラインの打痕が酷く付いています。こうなると回転側の動力に対するガタが大きく成ります、また横方向の動きも引っ掛かりが出来てしまいクラッチの動きを阻害して繋がり/切れがスムースに行かなくなります。 今回新品部品ではなく、取り外したたくさんあるストック部品の中の程度のいい物を入れてもらいました、こういうところが専門店の良いところで、安価な修理をしてもらえる理由でも有りますね。 回転方向の打痕ですが、頭の中で回転させて見ますと、クラッチが繋がった時のクランクからの動力側ではなく、エンジンブレーキが掛かった時のタイヤがミッションを回す逆側のトルクが掛かる方が叩かれているようです。つまり急激なエンブレを掛けたり、シフダウン時の回転合わせが下手くそな人が乗っていた証拠ですね。4気筒の高回転のエンブレは知りませんが、大きめな2気筒のエンブレを掛ける手順を守らない/知らない人が乗っていたのでしょうね。そうするとトランスミッションのギアのドグも非常に気になるのですが、今のところはすんなりシフトしていきますのでひと安心かなと。この先もクラッチの繋ぎ、シフトダウンの回転合わせに優しいエンブレの掛け始め、そして丁寧なシフトを心掛けないといけませんね。 なお、交換したオイルシールはこの写真の一番右側のメッキの掛かった部分に差し込まれてケースに嵌ります。接触面にリップが摺れた痕は僅かに確認できる程度で、削れによるオイル漏れではなかったようです。 いろんなアドヴァイスを貰いました。とにかくループはエンジンオイルに気を付けること!フィルターが無いから新鮮なオイルを使い続けなさい。エンジンオイル交換はこまめに!シフトは完全にドグが噛んでからクラッチを繋ぐ事。 判っている事ですが、改めてアドヴァイスを心に刻み込むのでした。 ![]() わたしのエルドラードに乗る最大の目的はユルユルとエンジンを感じながらの長距離走行です、それが出来るとこういう笑顔になるんですね。顔出し。 .
by Gambaldo850
| 2018-06-06 05:34
| Eldorado
|
Comments(10)
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Mr. gamba
こんにちは。 専門家に見てもらって、説明を受けると目から鱗が落ちる事ってたくさんありますよね。 自分もワーゲンに関してはそれなりの知識を持っているつもりなんですが、詳しい連中に聞くと、未だに知らない事がたくさんあって、ビックリさせられてます。 またそれを自分で実行に移そうとしても、頭の中で考えている事と実際の作業では異なっていて、自分では出来ない事がたくさんあったりもします。 やはり趣味の域を越え、職業として続けていくからこそプロのレベルまで到達するのでしょうね。 勉強させられることばかりです。 これでエルドラード、また一歩Mr. gambaのカラーに染まりましたね。Mr. gambaは相変わらずcool guyです。
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>TCさん 専門家は触っている数が段違いですし、引き出しの数が多いです。
わたしごときが太刀打ちできるはずもなく、自分が良かれと思ってやった事がことごとく中途半端で困ったようですよ。 でも、今回強く思ったのは完全に自分で出来ない事以外は極力自分の手を動かそうと思った事でした。 プロから見れば拙いでしょうが、自分のバイクは自分で手を入れたいです。 Coolですか、ありがとうございます。嬉しいです。 ![]()
gambaさんこんばんは。
プロの仕事ですね〜。やはり、場数を踏んでいるので、素人では到底かないませんね。 ブレーキの効きも良くなって、しばらくは安心して距離をのばせそうですね。 こちらでは、メカニックに限らず、本当のプロを探すのはとても難しいです。 今回は、知識も増えて、投資に見合うリターンが、あったようですね。
>msfiveさん 日本では第一人者でしょうね。
デイトナに遠征していたくらいですから、とにかくすごいんですよ。 触っている数が段違いなので経験値が違いますよね。 ブレーキもここまで改善出来るんだなぁって驚きました。 話を聞いて、部品の解説をしてもらい、なんだかすごく得した気分…というより、とても勉強になりました。 次回、もし開けるとしたら自分でやりますよぉ。 ![]() ![]()
ガンバさん、こんばんは。
TXの返信ありがとうございます。 Guzziも大変楽しく拝読しております。 今回のブログもなんだか本当に良いです。 プロの方から見ればちょっと間違っているようなメンテナンスでも 情熱、オートバイに対する情熱が伝わったからこそ色々とアドバイスをいただけたと感じました。 ガンバさんが書いておられるようにこれからも自己流でも良いと思うことはどんどんやることは素晴らしいと思います。 それがなにより楽しいです。オートバイは少し迷惑!!
>山のポチさん TXのコメントが一月も遅れてすいませんでした。
キャブレターは順調ですか? 電気はしっかり確認しましょう!(笑) 良かれと思った自己流があっさり否定される情けなさと変な爽快感!(笑) でも、アイディアとかやりたいことは通じたようですが、わたしもいまだ懲りていません。 確かバイクは迷惑かと思っているかもしれません(苦笑)が、問題のある事以外だったら試していきますよ。 未だにやりたいことや試したいことはありますので手を入れたいですね。 これから暑くなると走るのが億劫になりますね、涼しいところに逃避行したいです。 |
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